これが放射性物質の回収・除去法だ
　低レベルの放射性物質は安価で簡単な方法で除去できる。

　前述したように、メイン・ターゲットになる「放射性セシウム」には「親水性」と「粘着性」という性質がある。この点に注目し、基本的な考えとしては、『水に溶け込んだ「放射性セシウム」を吸着材で捕捉する』のである。

　原理としては、現在福島原発で汚染水処理に使われているシステムと同じだ。
　吸着材としては、
・多孔質の物質　　ゼオライトや木炭や竹炭、脱臭剤に使われる活性炭など
・フェロシアン化鉄　　顔料のプルシアン・ブルー
・微生物利用　　放射性物質を吸着するものと、放射線を遮蔽するものがある
・逆浸透膜　　海水の淡水化などに使われたり、水道水の浄化器に使用
　が考えられる。

　このうちゼオライトは、米国キュウリオン社が福島原発に持ち込んだシステムでも使われている。

　原発に導入されたシステムは、浄化槽が複数だったり、ポンプで水を循環させるなどかなり大掛かりなものだが、「低レベル放射性物質の処理」ということで、私はもっと簡便で安価な方法を考えた。我々が今すぐ必要としているのは、１万分の１や1000分の１を達成する高効率のものでなくていい。

　早い話が、今の放射線レベルが２分の１、10分の１になればいいのである。

　ただし、回収した吸着材は厳重に密封して、東京電力や国に引き取ってもらう必要がある。もちろん、費用も最終的には国・東電に負担させるのだ。
　以下に具体例を幾つか説明する。